とある相続税の税務調査

税務署に申告した内容について誤りがないか、聞き取りや書類の確認が行われることがあります(税務調査)。
相続税の税務調査とはどんなものなのか?実際に立ち会った調査でのやり取りを交えてご紹介します。 執筆:相続センター 柏事務所
調査のポイントは税務調査官との会話
相続税の税務調査は1日かけて行われ、一般的には午前10時から税務調査官がご自宅等に来て始まります。
午前中は相続人に対する聞き取り調査が行われ、午後に通帳、相続税申告に使用した証憑書類やその他の書類を確認し、だいたい午後4時頃に終了します。
税務調査によるおおまかな聞き取り調査内容
①大学くらいからの経歴(被相続人・相続人)
②ご両親の職業等(被相続人・相続人)
③実家から相続した財産(被相続人・相続人)
④生前に贈与を受けたもの(被相続人・相続人)
⑤住まいの移転状況(被相続人・相続人)
⑥趣味
⑦病歴・入院期間・死亡当時の状況・意思能力の有無
⑧誰が財産管理をしていたか
⑨金庫(自宅・貸金庫)の場所・中身・管理状況
⑩不動産の権利証・預金通帳その他の貴重品の保管場所
⑪相続財産の収集(把握)方法
⑫遺言書の有無
⑬遺産分割協議の状況
⑭相続人の相続前の固有の財産
⑮相続後処分したもの など
税務調査のメインは相続税申告書記載の財産の確認ではなく、申告書に計上が漏れている財産を見つけることです。調査官は何気ない質問をしているかもしれませんが、そこからヒントを得て財産の計上漏れがないかチェックしてきます。
とある税務調査でのシーン
先日、相続税の税務調査に立ち会いました。
午前中は相続人に対する聞き取り調査となります。
予想通り、被相続人の出生やら職業やら様々な角度から聞き取り調査が行われました。
『お差し支えなければで構いませんので…』を決まり文句としてかなり込み入った話まで聞いてきました。
『お父さんとお母さんの馴れ初めは?』の質問の時は流石にお差し支えあるのではと思いましたが。
ふと聞いていて『自分だったら答えられるかな?意外と両親のこと知らないな。ましてどこに財産があるかなんて』と考えました。
当たり前の話ですが、被相続人の税務調査に立ち会うのは被相続人ではなく残された相続人です。
自分の死んだ後のことなんて知らないと思っていても、残された相続人は調査官から自分のことについて質問攻めにあってしまいます。
後々のトラブルを避けるためにも、自分の人生についてもお子様方に話されてみてはいかがでしょうか。